芸術

アニメ『聲の形』伝えたいのは心の形

投稿日:2019-07-15 更新日:

あらすじ

西宮硝子が転校してきたことで、小学生の石田将也は大嫌いな退屈から逃れる。しかし、硝子とのある出来事のために将也は孤立し、心を閉ざす。5年後、高校生になった将也は、硝子のもとを訪れることにし……。

監督:山田尚子

キャスト:入野自由,早見沙織

主人公の西宮と同じように、僕の兄夫婦の間に生まれた双子の姪の片方が、脳性マヒの疾患で生まれ、体が不自由でうまく言葉を話す事が出来ない。

聴覚には問題がないので、僕たちの会話はきちんと理解している。

そして自分の意思を伝える時は何らかの手ぶりと表情を使ってコミュニケーションを取る。

素直な子だから、喜怒哀楽は真っすぐに表現する。

コミュニケーションの問題は障害を持っている人に関わらず起きるものだ。

世代によっては電話がまったくダメな人がいるという話を聞いたりもする。

だから近い将来、人間のコミュケーション手段は、何らかのモバイル機器が人間の脳波を読み取り、それを自分の口ではなく、機械的な音声や文字に変換した形でコミュニケーションを図るようになると思う。

人はそのモバイル機器を使って、変換した内容を相手に伝えるかどうかの意思決定だけをする。

これにより視聴覚の不全による従来のコミュケーション障害はなくなり、人間が判断するのは、何を伝えて、何を伝えないか?

その選択だけになる。

ある意味テクノロジーによるテレパシー的なコミュケーションが可能になるわけだけど、その結果、人はおそらく自分の心を形に出来ない障害者になると思う。

本心を決して誰にも明かさず、相手に伝える内容の決定すらもモバイル機器の選択と判断に委ねるようになる。

人は昔から自分の本心の扱い方にすごく慎重だ。

自分の気持ちと相手の気持ちを推し量り、伝えた場合と伝えない場合の結果を想像して迷う。

コミュケーションは相手あってのもの。

他人を思い遣ったり、気遣ったりすれば、その判断がどんどん難しくなり、終いには自分の本心が何かもわからなくなったりする。

それによって起こるすれ違いは、この物語の西宮や石田たちのような関係でなくても、不特定多数の人と関わって生きていかなければならない世の中にはいっぱいある。

アニメの彼らが感じるもどかしさや葛藤は僕らにも常にある悩みだろう。

僕は耳も口も正常だけど、本当に伝えたい事は文章にしないと伝わらない気がしている。

文章でもどこまで伝えられるかは正直分からない。

でもメールやSNS、ブログなどの文字で意思を伝えるツールの方が、熟考してから意見や答えを出したい僕にとっては都合が良い。

会話だと答えを急かされているような気がして、本心を伝えたつもりでも、後からそれは本心ではなく、その場の状況的判断から発した思いだったりする事がある。

目まぐるしい情報化社会のスピード感に合わせて、自分が生得的に行っていた情緒あるコミュケーションのペースが乱されているというか、考えてから会話をする時間的余裕がない焦りを会話の中で常に感じるのだ。

電話での会話も必要な用件だけになりつつあって、特に用事がなく、なんとなくかかって来た電話に対する苦手意識は日に日に強くなっている。

自分で能動的に時間を作ったうえでコミュニケーションを取らないと、思考が散らかって落ち着かない。

会社でのコミュニケーションもそうだけど、そんな状態で雑談の輪には入りたくないのだ。

だからプライベートで人に会って、じっくり会話をする時間や機会はすごく貴重だ。

伝える手段の形はなんでもいいと思う。

でも伝えたい心の形だけは明確にしたい。







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