芸術

アニメ『鬼滅の刃~柱合会議・蝶屋敷編』やんごとなき人の影

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あらすじ

主人公・竃門炭治郎が隊士でありながら、鬼となった妹・禰豆子とともに行動していることに対して“隊律違反”を犯したと“柱”たちから裁判を受ける

鬼殺隊のリーダーである産屋敷輝哉の類い稀な人間性が見事に描かれる回。
鬼滅はどの回も面白いけど、僕は無限列車編の直前にあたるこの回にも特別な思いがある。
鬼殺隊のリーダーである産屋敷輝哉は“安全基地”
そう呼ぶに相応しい尊敬するキャラクター。
宗教の教祖のようなカリスマ性とベテランのカウンセラーのような包容力。
僕が一番目指したい人間性として、彼から学べるものはとても多い。
彼に従う柱たちのキャラクターが持つ個性はどれも強烈で、富岡義勇の極端な寡黙さがまだマシに見えるほど、一筋縄ではいかないメンバーばかり。初見の段階では、どのキャラクターもあまり好印象ではなかった。
こんな人たちを輝哉はどうやって束ねているのか?
柱合会議で輝哉と初対面を果たした炭次郎は、輝哉の声とその言葉を聴いて「なんだろう?この感じ、ふわふわする」と、ある種の安らぎのようなものを感じていた。
それは輝哉が、炭次郎がこの時点で感じている弱さを丸ごと肯定し、炭次郎の信念、芯の強さに敬意を払い、鬼殺隊としてのこれまでの功績、そして将来の活躍を期待してくれたからだと思う。
ひょっとしたらこの時点で輝哉は炭次郎に頼壱と同じものを感じ、無惨を倒す事が出来る唯一の逸材として認めていた可能性もある。
輝哉はその落ち着いた声のトーンとしっかりと選んだ無駄のない言葉でそれを炭次郎と柱たちに伝える事が出来る。
どういう人なんだろう?
たった一度の対面で強力なラポール(信頼関係)を築く事が出来る輝哉は、炭次郎の心にしっかりと残り、その後も安心感と信頼を与え続ける。
一方、十二鬼月のリーダー鬼舞辻無惨の資質は輝哉と対極的で、その圧倒的な力を振るい、恐怖で部下たちを支配する。
誰の目にも明らかな典型的なパワハラ独裁者。
よって彼に従う鬼たちは「強さ」ばかりに固執する事になり、いつもワンマンな戦いを繰り広げる、統率の取れない組織になってしまった。
鬼殺隊のメンバーは個人の能力こそ鬼に及ばなくても、輝哉の下で結束しているから組織として強い。その点、個人では強いはずの鬼たちは、部下を信頼していないリーダーの下で、組織として弱くなる。
この二人のリーダーの最大の特徴でもあり、違いは、「自分の弱さをさらけ出す勇気」があるか、ないかだと僕は思う。
輝哉は無惨と違って病弱の身だから現場では戦えないリーダーだ。
だから部下を信頼しないと生きていけないし、部下であっても自分の身と国民を守ってくれる鬼殺隊員たちを全肯定し、敬意を払って常に対等な関係を築く努力をしている。
それがあるから部下である鬼殺隊員たちも自分たちと対等な関係を築いてくれる輝哉に敬意を払い、病弱な輝哉の身を案じて「俺たちが必ず守る!」と、固く忠誠を誓い合っているのだ。
現実的にそんなリーダーがいるか?

思い当たるのはただ一人。

僕は天皇陛下がまさに輝哉みたいなリーダーだと感じた。
万世一系で日々国家の安泰を祈り続けている天皇家。
そのリーダーを単なる象徴としてしか敬わなくなった日本は今まさに鬼だらけじゃないか?
天皇陛下は人間でも神様だ。
その神様が国民を皆等しく愛してくれているのに、僕も含めてその恩を忘れてしまった人たちが多い気がする。ないがしろにしている。ネットの情報に流されて天皇陛下を「悪魔だ!」と罵る者さえいる始末だ。そんなもの、天皇陛下の人柄を見れば分かるはずだ。前天皇が生前退位した時、僕は天皇陛下に見捨てられた気がした。
でも産屋敷輝哉とこの国の哀れな状況を見て、僕はもう一度この国の正統なリーダーである天皇陛下に感謝して敬う事にした。
そして少しでもその人間性に近づいて、誰か他人のために報いたい。







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