格好良い音楽を聴き続けていたらたどり着いたバンド。
NUMBERGIRLの向井秀徳さんが雑誌のインタビューでこのバンドについて触れていたので、アルバム『南蛮渡来』を買って聴いてみた。
ジャンルで言ったらファンクロック。
ゴミの街に埋もれた食いかけのハンバーグ♪
「TANGO」の歌詞がグッと来た。
メンバー全員でシャブでもキメながら演奏しているようなノリの音楽。
「クニナマシェ」に関しては、民族的でもあり、新興宗教の怪しいイニシエーションでもあるような聴き心地。
「僕たちは光の中でCHA-CHA-CHA♪」
「僕たちは光の中でギャギャギャ!!」
曲の間に入る子供たちの合唱がボルテージを上げ、突然崩壊するような感じで叫ぶピークが怖くて可愛い。
人類の愚かさは普遍的だけど、生まれたからにはみんな一緒に踊ろうよ♪
そんなメッセージを感じる。
僕が生まれた頃くらいから活動していたバンドみたいだけど、年代を全く感じさせない革命的な音楽だと思う。
一般の人があまり踏み入れない、音楽の暗黒大陸に潜む野蛮で神秘的な民族楽団。
音楽の良さとか感動を言葉で表現するのはとても難しくて野暮ったい。
だって聴けば分かるから。
聴いた感動に嘘はないけど、表現した途端に嘘になりそうで難しい。
音楽やっている人は、自分の作る音楽でアンサー出来るから羨ましい。
音楽ライターとかになったら、仕事上嘘でも褒めたり貶したりしなきゃいけなかったりするんでしょ、たぶん。
映画の評論とか小説の批評なんかもそう。
読み手を意識して、作品の感性と自分の感性を対比させて、最終的に自分の感性が作品の感性より少し優れているように印象付けようと画策する。
僕より読み応えのある文章で、プロはそれを平然とやってのける。
でもみんな一度聴けばわかるし、観ればわかるし、読めばわかる。明解、難解、好き嫌いがはっきりと出る。
みんなそれぞれの感性で判断出来る。
だからその作品が楽しめるかどうかの責任の一端は、作り手だけじゃなくて鑑賞する側にもある。
完全に受け身の姿勢で胡座をかき、たった一言「つまらない」で済ますような人間の感性ほどつまらないものはない。
前のめりで聴く、観る、読むべきだと思う。「お金を払って時間使ってんだから楽しませろ!」
そりゃそうだけど、お金を払って時間使ってんだったら感性磨いて楽しめよ!と思う。
面白くてもつまらなくても、どのみちお金と時間は戻らない。
世間にどれだけ酷評されても、「つまらない」と吐き捨てる人間も見捨てずに、創作や表現を続ける人の方が偉いし、尊い。
僕は自分の好きな物の感想を愚直に書いていきたい。
その作品の楽しみ方が人とズレていても構わない。作品の意図を読み取れていなくても構わない。
自分が良いと感じた事を恐れずに書きたい。
JAGATARAは僕の音楽史に残る、かなりセンセーショナルで重大な事件だ。
僕はその音を間違いなく楽しんだのだ。
JAGATARAの曲さえかかれば、僕はいつでも光の中でCHA-CHA-CHA出来る。
【特に好きな3曲】「クニナマシェ」「HEY SEY」「裸の王様」