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アニメ映画『鬼滅の刃~無限列車編』猗窩座クーデター説

投稿日:2021-09-27 更新日:

あらすじ

蝶屋敷での修業を終えた“鬼殺隊”の竈門炭治郎は、短期間で40人以上が行方不明になった“無限列車”を捜索する任務に就く。妹の竈門禰豆子を連れた炭治郎と我妻善逸、嘴平伊之助は、鬼殺隊最強の剣士“柱”のひとりである炎柱の煉獄杏寿郎と合流し、闇を進む無限列車の中で鬼を相手に戦い始める。

原作:吾峠呼世晴 監督:外崎春夫 

ついに地上波で煉獄さんの勇姿を観る事が出来た。まだ煉獄さんの生き様を観ていない人にもぜひ見てほしかったから、テレビ放送はすごく嬉しい。CM中にSNSで映画の反響を確認しながら、物語後半で繰り広げられる煉獄さんと猗窩座の激闘を鑑賞していたら、猗窩座があの場に突然現れた理由が、ふと気になりだした。
敵である煉獄杏寿郎の強さを褒めたたえ、執拗に「鬼になれ」と誘う。

純粋に強い者が好きだからという理由だけなのだろうか?

なんとなく他にも理由がありそうな気がするので、映画鑑賞後に原作のマンガを漁り、手がかりになりそうな場面を探してその理由を考えてみた。


猗窩座クーデター説


煉獄さんも猗窩座も無限列車の現場が初対面であるはずなのに、猗窩座は初対面の煉獄さんを「杏寿郎」と下の名前で親しげに呼ぶ。
原作の時系列を追っても二人が過去に出会った描写はない。
ただなんとなく猗窩座の方には何らかの経緯で以前から一方的に煉獄さんの存在とその強さを知っているような感じがある。

そして煉獄さんの母親同様に「お前は選ばれし者なのだ!」と、猗窩座が煉獄さんの実力と不屈の精神を認めているセリフから察して、やはり煉獄さんと猗窩座の間には過去に何か接点があると判断した。
力において絶対的存在である鬼舞辻無惨から無限列車の乗客と鬼狩り全員を殲滅するように命じられた猗窩座が、その命令に背いて圧倒的に才能が違う人間の力を認め、自分と同じ「鬼」になる事を望むのはどこか不自然だ。

 
この不自然な行動に納得のいく説明をつけるとすれば、猗窩座には鬼になってもまだ完全に捨てきれない人間の心が残っていて、煉獄さんに何かを託すためにあの場に現れた?
そう推測してみるのが良いと思い、猗窩座クーデター説というのを唱えてみる事にした。

 
原作で猗窩座の時系列を追っていくと、猗窩座は無限列車の現場に現れる前に無惨から「青い彼岸花を探す」という任務を与えられている。
そして猗窩座は無限列車の現場で煉獄さんを倒した後、無惨の下へ帰還し、「青い彼岸花は見つからなかった」という報告をしている。
僕はこれを猗窩座の虚偽報告と解釈し、猗窩座は「青い彼岸花」を見つけたから煉獄さんを鬼に誘う事にしたと、想像してみる事にした。
「青い彼岸花」は無惨が太陽を克服するために必要としているもので、無惨が太陽を克服するには「青い彼岸花」を手に入れるか、太陽を克服した「選ばれし鬼」を食らうしかない。

  
無惨はそのために人間を襲って鬼を増やしていたのであり、上弦だろうが下弦だろうが「選ばれし鬼」以外の鬼を特に必要としていない。
「青い彼岸花」か「選ばれし鬼」のどちらかを手にすれば、手下の鬼たちの存在はもう必要なくなる。
猗窩座がその事を知っていたとしたら、「青い彼岸花」を見つけても、無惨には報告しないだろうと思った。そして無限列車の時点では禰豆子が太陽を克服した「選ばれし鬼」である事をまだ誰も知らない。
おそらく猗窩座は無限列車の現場に近い場所で「青い彼岸花」を見つけたんだと思う。そしてもう必要なくなる自分たち鬼の境遇に危機感を覚えて、実績のある鬼狩りの柱たちを鬼化させて、一緒に無惨を倒すという計画を立てた。しかし煉獄さんが己の信念を曲げず、鬼になる事を断固拒否したので、仕方なく計画を断念しなければならなくなっってしまった。
もし煉獄さんが鬼になって猗窩座と手を組んで無惨にクーデターを起こしていたら、猗窩座が見つけた「青い彼岸花」で他の鬼たちが太陽を克服し、人と鬼が共存する道なんかもあったかもしれない。
あくまで僕の理想だから、証拠不十分で無理やり感が否めない説だけど、僕は猗窩座の過去のエピソードも個人的には好きだし、「死ぬな、杏寿郎」と、呟いた時の猗窩座から、微かな憂いのようなものも感じたので、そういう経緯があっての猗窩座登場だと思いたい。

鬼滅に関してはまだまだ語る機会がありそうだ。

いつも読んでくれてありがとう!

劇場版『鬼滅の刃~無限列車編』公式サイト







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