オカルト・スピリチュアル 哲学・思想

事態を好転させるために必要なもの

投稿日:2018-07-19 更新日:

これまでの人生で、神に祈りが通じて奇跡が起き、それによって何か問題が解決した事は一度もない。

ただ何か問題が発生してそれが解決に向かう時、神への祈りに通じるような素直な気持ちとか、決意みたいなものを示した時に事態が好転した事は何度かある。

千葉のゲストハウスで働いていた時、僕は事務所で仕事をしながら社長の子供の子守りをしていた。

幼稚園の年長になる女の子と、2歳くらいになる男の子。

二人にマジックのペンを与えてお絵描きをさせていたら、年長のお姉ちゃんが誤って事務所の机にマジックを塗ってしまった。

ゲストハウスも事務所も古い建物をみんなで改装してようやくオープンさせたばかりだった。

……どうしよう、パパに怒られる

真新しい机を汚してしまった罪悪感が大きかったのか、その子がそう言って泣き出した。

僕は汚れぐらいすぐに消えるだろうと思って、事務所にあったクリーナーなどを使って拭いてみたけど、どうしたものか、全然汚れが落ちなかった。

いろいろ試したけど、結局その日は汚れを落とせずに子供たちが帰る時間になった。

……パパには絶対に言わないでね

年長の子が気落ちしながらそう言うので、僕はとりあえず机の汚れた部分に物を置いて隠しておいた。

次の日も子供たちが事務所に来て、年長の子が、昨日自分が汚してしまった机を見ながら、また「どうしよう?どうしよう?」と悩んでいた。

昨日家に帰ってからもずっと悩んでいたのかもしれない。

可哀想だな、と思ったけど、僕が何をどうしても汚れは取れなかった。

正直にパパに言おう。正直に言えばパパは絶対に怒らないはずだから

どうしようもないので僕はその子にそうアドバイスしてみた。

ホント? 正直に言ったらパパは絶対に怒らない?

怒らない自信はあった。

僕がこのゲストハウスで働いたきっかけは友達からの誘いがあったからだけど、人付き合いが苦手で接客の経験もなかったからかなり迷いがあった。

働く決意が出来たのは社長の人柄が大きかったと思う。

はじめて社長に会った時、僕はそのおおらかな人柄がすごく好きになり、この人の下でならやっていけるかも、と思ったのだ。

だからその子が正直に謝れば、社長は絶対に怒らないという自信があった。

むしろその子の素直さに感動して、どうすれば問題が解決するか優しく教えてくれるだろうと確信していた。

大丈夫だよ。怖かったら一緒について行ってあげるから、とりあえず謝ってみよう

僕がそういうと、年長の子が少し落ち着きを取り戻して「大丈夫、アタシ一人で謝って来る」と言った。

それから一人で社長のところに謝りに行った。

しばらくしてからその子と社長が事務所に来た。

社長が汚れた箇所を確認して「なんだ、こんな汚れぐらいどうってことないよ。パパがなんとかする」と言ってその子の頭をそっと撫でた。

それから社長とその子と三人で汚れと格闘した。

それでもあいかわらず何をやっても汚れは全然落ちない。

しばらく三人で机の汚れと向き合っていると、宿のお客さんが帰って来た。

事務所で四苦八苦している僕らを見て「何かあったんですか?」と声をかけてくれ、僕が事情を説明すると、そのお客さんが「それなら消しゴムですぐ消えますよ」と教えてくれた。

宿に泊まっていたお客さんは工場のメンテナンスをしている人で、言うとおりに試してみたらあっけなく消えた。

なんだ、消しゴムで消えんのかよ!

たったそれだけの事だった。

僕らには盲点だった解決法をお客さんが教えてくれたおかげで問題が無事解決。

でも僕はこの時、もし年長の子が勇気を出して素直に社長に謝っていなかったら、このお客さんが事務所に来る事はなかったんじゃないか?と思った。

年長の子の勇気と素直さが事態を好転させる力になって働き、その結果僕らの下に問題解決の方法が降りて来た。

そんな気がしてならなかった。

実際に年長の子が問題をひた隠しにしている間はいつまでも問題の解決方法が見つからなかった。

これを奇跡と呼べるかどうかは別として、僕はこの出来事を通して“奇跡”と呼ばれる現象が起こる時に働く仕組みが分かった気がした。

社長も僕も小さい女の子の素直さに感動し、それに伴う行動が、解決策を知っている宿のお客さんを呼び寄せた。

お客さんも小さい女の子の役に立てて嬉しそうだったし、この時いろんなものが一度にキレイになった。

素直な思い、決意、そしてそれに促された行動。

必ずとは言えないけど、あらゆる問題はそれによって好転すると思う。

神に祈って奇跡を待つのは、それらが全てダメだった時でいいのかもしれない。







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