哲学・思想 芸術

マンガ『ライチ光クラブ』 最後の抵抗期

投稿日:2018-08-12 更新日:

あらすじ

工場の煙に覆われた螢光町の片隅にある、「光クラブ」と名づけられた少年たちの秘密基地。その場所で、ある崇高なる目的のために作られた「機械」が目を覚ました。

原作:古屋兎丸

14歳の少年たちが、自分たちの遊び場的なノリで作った「ライチ光クラブ」

そのクラブに“ゼラ”という少年が加入した事で、ナチスドイツのようにカルト化した少年たちが、世界征服の野望を抱いて怪しい活動を展開する。

その狂気と悲劇を描いた青春群像劇。

14歳。

中学二年生。

僕は“中二病”の妄想のようなこの漫画を読んで、「三つ子の魂百まで」という諺があるように、「14歳の魂〇〇」みたいな諺があってもおかしくないと思うくらい、この年齢に何か特別なものを感じた。

義務教育による社会的洗脳の基礎が終了し、人間本来の神意識(真我)を封印してしまう時期がちょうど「14歳」くらいなんだと思う。

この時期の少年少女が多感なのは人それぞれの神意識がこの社会に対して最後の抵抗を試みるからではないか?

成人を迎えていなくても、中学を卒業すれば社会参加が許される。

支配者層の意図としては、人が社会に出る中学卒業までの間に社会的洗脳の基礎を植え付けておきたいのかもしれない。

だから14歳の時期に自分の意志で社会的洗脳に打ち勝つ事が出来た人は、自分本来の神意識を保ち、その後の人生を自分らしく生きる事が出来る。

しかし負けた人は自分の好きな物や事と一緒に、自分本来の神意識が封印され、その後の人生が社会的洗脳のコントロールを受けた無味乾燥的なものになる。

“中二病”は神意識と共に封印された自分の趣味趣向が、妄想という形で現れた敗者のフラストレーションだと思う。

ライチ光クラブ」は、工業地帯の無味乾燥的な生き方を強いる蛍光町に対する少年たちの抵抗意志であり、自分たちの神意識を守るための要塞のようなものかもしれない。

物語の中で少年たちが感じている大人に対する汚れの意識だとか、永遠に純粋さを保つ美しいもの(少女)への憧れとか、大人になった僕にもそんな気持ちが今もどこかある。

でもそれはもう取り戻せない気持ちでもあるし、これまで細やかに抵抗しながらなんとか折り合いをつけてきた気持ちでもある。

ライチ光クラブ」に君臨してそれを牽引していた“ゼラ”という天才少年は、町の占い師に「14歳で死ぬか、30歳で世界を手に入れる」と予言されていた。

そしてゼラは自身の狂気と仲間の裏切りによって14歳で死ぬ。

ゼラでなくても、14歳は誰にとっても特別な時期だ。

ゼラの死みたいに僕もあの時期に社会的価値観や常識の抑圧に負けてしまったから、封印されたまま時間だけが過ぎ、ひどく醜い大人になってしまった実感がある。

残酷な大人の渦中にいる、封印された14歳の少年。

僕だけでなく、ほとんどの大人は封印されたままフラストレーションを抱える中二病患者だ。

本当の大人は14歳の頃に社会と戦って勝利し、自分らしく生きている人だけ。

でももしもこの先の人生のどこかで封印された神意識を完全に解放する事が出来たら、肉体も精神もあの頃の純粋な自分に戻れるような気がする。

そしてその気付きがあるなら、人はまだ戦えると思う。







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