あらすじ
海から吹く風によって腐海の毒から守られている「風の谷」。ある日、虫に襲われた輸送飛行船が風の谷に墜落する。船内には、“火の七日間”と呼ばれる最終戦争で地球を壊滅させた「巨神兵」の核が積まれていた。やがて巨神兵をめぐり闘争が勃発し、風の谷の王妃ナウシカも陰謀渦巻く戦乱に巻き込まれてゆく。
監督:宮崎駿
キャスト:島本須美,辻村真人,納谷悟朗
格闘家の山本KIDさんが癌で亡くなった。
KIDさんは普段からヴィーガンの食事をしたり、トレーニング時も入念なストレッチを欠かさず、健康にはかなり気を使っていた印象がある。
リングの上で“神の子”と称された人だから、癌みたいな病気とは一生無縁で、癌で闘病のニュースが出た時も、僕は必ず完治するだろうと、勝手に楽観視していた。
だからKIDさんの訃報は僕の中ではかなり衝撃的な出来事だった。
KIDさんほどの人まで倒してしまう“癌”って一体何なんだろう?
本当に病気なんだろうか?
僕たちはひょっとして“癌”というものを勘違いしているのではないか?
KIDさんの死をきっかけにふとそんな疑問が癌に対して湧いて来た。
そして改めて“癌”というものが何かを自分なりに考えてみる事にした。
癌細胞は遺伝子の異常
国立がん研究センターのHPによると、癌細胞とは遺伝子に出来た傷によって出来た異常な細胞の事だとある。
正常な新陳代謝を無視し、勝手に増殖を続ける特徴があって、周囲に染み出るように広がり、体のあちこちに飛び火して次々と新しいガン組織を作り出す。
ガン組織は、他の正常な組織が摂取しようとする栄養をどんどん奪うので、その結果人間の体が衰弱する。
この説明を見た時、僕は人間の体を地球環境に例えたら、癌は『風の谷のナウシカ』の“腐海”のようなものなのかもしれない、と思った。
腐海の概要
腐海は巨大な菌のような樹木が茂っている原生林のような深い森で、”蟲”と呼ばれる生物の住処になっている独自の生態系だ。
元々は人類によって人工的に創られたもので、腐海が誕生する以前の世界の環境は、人類の発展と争いで、土壌が修復不可能なほど汚染されていた。
汚染された土壌を浄化するためには、長期的でかつ世界規模の取り組みが必要だった。
人類は汚染された土や物質から毒素を排出するために土を結晶化し、有毒物質を空気中に排出した。
無毒化された結晶は小さく砂状に砕けて地上に還る。
この浄化機能の工程が腐海の正体。
腐海の蟲たちが人類に対して攻撃的な特徴を有しているのは浄化機能存続のためで、腐海の消滅を目論もうとする外部からの侵略者の排除と浄化作業の補助を行っているからである。
腐海の場合の浄化作業には、従来のあらゆる生物の存続が不可能という欠点がある。
そのため、それまで人類が保有してきた「知識と技能」、人類を含む「種」を後世に残すために、人類は聖都の「墓所」と呼ばれる、別途保管の場所を建設した。
「墓所」の存続のためには外部から保護を受ける必要があり、そのために腐海の毒にある程度適応出来る人類(ナウシカを含めた新しい人類)を産み出した。
しかし腐海の浄化作業は新人類を奴隷のように扱うのと変わりがなく、浄化後の瘴気が無い空気が澄んだ世界では新人類は生きられないように仕組まれている。
墓所に保管されている「知識と技能」がある限り、旧人類は再び同じ過ちを侵す定めにある。
【ウィキペディア引用】
あくまで僕の仮説だけど、人間の遺伝子にもその時代の汚染された環境に人体を適応させるための浄化機能のようなものがあって、それが現段階で”癌”という病気として発動しているのではないか?と思った。
癌も腐海の設定同様、現代社会やこれより先の未来の地球環境に適応するための新しい人類を生み出す進化のプロセスだとしたら、人類はいずれ自力で癌を克服し、癌細胞によって何らかの肉体的進化を遂げるはず。
乳癌、子宮癌、前立腺癌、胃癌、大腸癌、肺癌……。
僕は人類進化の最終形は不老不死だと思っていて、今現在、人間の肉体で癌に侵されやすい肉体の部位は、いずれ、性別や老いを乗り越えるためになくなるか、別の機能に変化すると予測している。
生物の進化が今以上に劣悪な環境で生き抜くために与えられた処世術だとしたら、進化の過程である”癌”で人が死ぬのは皮肉な話だ。
しかしどれだけ壁にぶつかってもその都度進化してそれを乗り越えるのが人類の宿命だと考えたら、すごく逞しい生命体だとも思う。
だから僕がもし癌になっても、医学による治療は一切せず、進化を要求する癌細胞の意志に従って、人類の進化のプロセスをこの体でじっくりと体感してみたい。