以前書いた『飢餓状態で本能が目覚める』という記事を書いた。
その中で僕は、人は頭では「死にたい」と思っても、体はその思いとは裏腹に生きようとするという内容を主張した。
僕は脳と体(各細胞)の機能には、国家(中央集権)と国民の主従関係のようなものがあり、基本的には脳が判断し、それ以外の体の部位(各細胞)がその判断に従って動いていると思っている。
“病は気から”という言葉があるけど、これは脳が想像したもの、あるいは仮想現実の世界を体が「健康」や「病」という症状で具現化しているという意味だと僕は解釈している。
脳内で創った仮想現実の世界の臨場感に対し、体が好ましくない反応をしている状態が病気だ。
国の発展と衰退も同じく、中央集権が思い描く国の構想や立案に対して、国民が「発展」や「衰退」という形で具現化して答えている。
国を人体に例えると、脳が中央集権だとしたら、五臓六腑である肺臓・心臓・脾臓・肝臓・腎臓、大腸・小腸・胃・胆・膀胱・ 三焦などが、地方都市の自治体に当たる。
そしてそれ以外の何十兆とも言われる細胞が国民。
細胞にも国民にもそれぞれ意志があって、同じ理想や思惑を持ったもの同士が集まれば、何らかの機能を持った機関になる。
その機関に潜在している力次第では、人体や国そのものを動かすアクションを起こせる。
しかし中央集権や地方都市、脳と五臓六腑が持つ力の方が強く、それを超える意志がないと、国や人体を動かすアクションは起こせない。
脳や中央集権も強い意志を持った細胞や国民の集まりだ。
どの細胞、国民よりも優れた機能性を持つ脳機能の部位、省庁を編成して、他の細胞、国民を管理し、服従させようとする。
単独である細胞や国民、規模の小さい機関が国や人体を動かすアクションを起こすには、その意志と規模を拡大しながら地方都市の自治体や中央集権にその力を示す必要がある。
脳や中央集権が明らかに人体や国にとって無理難題だと思われる理想、思惑を掲げても、それに反発したり抵抗したりする意志を持った細胞や国民が大勢いる限り、「自殺」や「国家破綻」は起きないように出来ている。
あらゆる生物が持つ、ただ生きる事だけを目的とした“本能”
この根本的な意志にとって、脳が描く「死にたい」という理想、思惑は、生命の存在そのものを揺るがす無理難題、矛盾を含んでいる。
だからほとんどの細胞が必ずそれに反発、抵抗する。
どれだけ「死にたい」と思っても腹が減るのはそのためだ。
脳の要求が本能に矛盾すれば、体は脳の指令を聞かずに各々勝手な判断で人体が「自殺」という行動を起こさないように機能する。
だから脳が暴走したら、体のいう事を聞くといい。
脳が命令しても言う事を聞かない肉体の部分はどこか?
脳が命令していないのに動き続けている肉体の部分はどこか?
何か行動する時、一番心地よいと感じる身体の部分、感覚はどこか?
そんな感じで脳が創る仮想現実世界に対して肉体のリアクションが示したものを細胞の総意(メッセージ)として受け取ってみればいい。
脳よりもかなり正確に今の自分が置かれている状況を判断していると思う。
ひょっとしたらそれが直感やひらめきの正体であるのかもしれない。
脳だけでなく、体のいう事にも素直になれば人生は好転して充実するはずだ。