哲学・思想 芸術

感受性、応答せよ!現代アートもゲルニカも所詮無力

投稿日:2019-12-15 更新日:

地下鉄の駅でたまたま立ち寄った現代アートの展示会を眺めてみた。

ほどよいスペースで何かを主張する立体と映像作品。

相変わらずわけがわからず、見た目には退屈だった。

でも僕はこれらが何を伝えようとしているのか考えてはみた。

作品のタイトルと印象で幾つか手がかりを掴んだところで、会場でもらったパンフレットを読む。

そこに書いてある作家さんの思想に「ああ、なるほど、なるほど」と一通り納得し、でもやっぱり作品だけ観てもその思想が伝わらない現代アートに無力を感じた。

僕の他に観に来ていた年配男性のリアクションも見て、さらに無力を感じた。

作家さんの思想は真剣そのもの。

作品だって時間とお金をかけて真剣に創ったものだ。

それはすごく伝わる。

でも何故か会場には有無を言わせない寂寥感が満ちていて、率直な感想は「なるほど、なるほど、で?それがどうしたっていうんだよ?

そんな感じだった。

それは何も今回観た展示会だけじゃない。

あのピカソが描いた『ゲルニカ』に対しても、僕は同じように思う。

こんなもんで、戦争の悲惨さなんか伝わるものか!」

僕はゲルニカを前にしてもそこにある無力を観るばかりだ。

僕たちみたいなバカは実際に軍服を着て、銃に弾を込めて、目の前に来た敵を撃たないと痛みなんてわからない。

反対に撃たれてみないとわからない。

家族を殺されて、愛する人や子供たちが大勢泣き叫んでからようやくわかる猿だろう。

その猿が『ゲルニカ』のように抽象化された戦争の悲惨さなんて理解出来るわけがない。

戦争を起こすのは私利私欲に塗れた為政者や資本家たちと、それに流される僕たちの弱さだ。

その為政者や資本家しか買えないような値段で取引されるアートに何が出来る?

美術館を破壊し、『ゲルニカ』の絵に躊躇なく銃弾を撃ち込んでしまうくらいに、僕たち人間の人間性が失われた時に初めて、『ゲルニカ』はその悲惨さを訴えるものになるだろう。

現代アートを観ると、そんな無力な自分を再確認出来るから面白い。

ごちゃごちゃ理屈捏ねて理解したところで、実感なんて一つもない。

僕たちみたいなバカには、安倍総理が見せる曖昧な国会答弁だったり、山本太郎が見せる必死の路上演説の方が胸を打つ。

盛った事を自白したうえでアップされるアイドルの自撮りとか、ファッション感覚で生々しいリスカの痕を見せて来るメンヘラな人たちの方がゲルニカよりよっぽど悲惨さを訴えて来る。

そしてそういう日常に無頓着になりつつある自分がたまに怖かったりもする。

だから僕は今またアートに興味関心を示したんだと思う。

己の無感動、無力を再確認せよ!

アートに触れて感受性を応答させろ!

そんな感じで僕は毎日なにかしらアートな日常を送ろうとしている。







-哲学・思想, 芸術

執筆者:


comment

関連記事

未来は行くもの、来るもの

僕がこのコロナ禍を乗り越えられるかどうかは正直分からないけど、この事態を乗り越える事が出来たら、その後の人や社会は今より良くなっていると思う。 未知のコロナウィルスによって、グローバリズムが抱えていた …

人格

人間の人格と認知の違いについて思う事

人間の人格と、認知の違いについて思う事を書いてみる。 僕は二重人格や多重人格の症例に限らず、人は誰でも幾つかの人格の型を持っていて、時と場合に合わせてそれを無意識に使い分けていると考えている。 普段優 …

子供たちに教えてもらった大事な事

東京の生活をやめて地元に帰り、一年くらい妹夫婦の家に居候していた。 甥っ子が二人いて、2年くらい一緒に過ごした。 その間、僕たち大人が良かれと思って子供たちにあれこれ教育的指導をしていく中で、逆に二人 …

映画『15時17分、パリ行き』明確なビジョンに起こる運命

あらすじ 2015年8月21日、554人の客が乗るアムステルダム発パリ行きの高速鉄道タリスに、武装したイスラム過激派の男が乗り込み無差別テロを企てる。乗客たちが恐怖に凍り付く中、旅行中で偶然乗り合わせ …

無差別殺人のターゲットにならないために

秋葉原の歩行者天国で無差別殺人があった時、テレビのニュースを見た実家の母親が僕に電話をして来て、「お前が犯人だと思った」と冗談半分で言って来た事がある。 失礼だな、と思いつつ、母親の立場を考えてみれば …

祐喜代(sukekiyo)

PROFILE

PROFILE

祐喜代(SUKEKIYO)

大阪在住

社会に属しながら世捨て人として人生を謳歌するために、思索と創作表現などをしています。

ART、写真、小説を掲載しているHPはこちら↓

ART、写真、小説を掲載しているHPはこちら↓

嗤う狐の藝術

祐喜代『星空文庫』ページ

嗤う狐のYOUTUBEチャンネルはこちら↓

ネットSHOP

SUKEKIYOオリジナルアートSHOP

『AMS』はこちら↓

https://ams.base.shop/

 

スポンサーリンク