哲学・思想

時が止まってしまった少女

投稿日:2020-08-21 更新日:

愛着障害に関する本を読んでいて、ちょっと気になる出来事が最近あった。

たまに飲みに行くBARで、店の女の子に関する共通の愚痴や不満を、他の店員さんやお客さんから聞く機会が増えたのだ。

僕もその子がいる日に一度店で一緒に飲んだ事がある。

その時の印象はそんなに悪くなかったけど、多少幼稚なところがあって、接客も他の子たちと比べると拙い感じはした。

彼女に関する愚痴や不満の内容には、甘え癖や怠慢な勤務態度などがあり、イベント場に場違いな服装で来たり、虚言癖があるなどの指摘もあった。

叱ってもあまり改善効果はないようで、直接彼女に関わった店員さんやお客さんはみんな呆れている感じだった。

本人はおそらく自分の接客態度に問題があるとはあまり思っていないだろう。

ただ他の人たちの迷惑になっている自覚はあるようだから、どうしていいのかわからない。

そんなジレンマを抱えて孤立しているように見える。

彼女と初めて会って話した時、何気なく料理の話題になり、そこから派生して「小さい頃あまり家に両親がいなくて、食事はいつも独りで作って食べていた」と、彼女の家庭の事情を少し話してくれた。

虚言癖があるとの事なので、一概にその話を信用するわけにもいかないけど、両親に甘えたい時期に甘える機会を逃している寂しさみたいなものは十分彼女から感じた。

彼女の話が本当だとしたら深刻な愛着障害を抱えている可能性がある。

接客中も僕の髪の毛を触ろうとしたりする様子もあったので、人とのスキンシップで愛情を図るような行為にもあまり恵まれて来なかったのかもしれない。

彼女の甘え癖、怠慢、虚言癖は、小さい時に十分な愛情を受け取れないまま育ってしまった結果現れている症状。

小さい時から時間が止まったままの女の子が大人を相手に接客していると考えれば、すごく納得のいく事が多い。

見た目は大人で中身は子供なんだから、甘えて来るのは当たり前、怠慢なのも当たり前、人に褒めてもらいたい、嫌われたくない理由で嘘もつく。

幼い頃に親との間で安定した愛着を築けないことで起こる愛着障害は、子供の時だけでなく大人になった後も、心身の不調や対人関係の困難、生きづらさになってその人を苦しめ続ける。

そういう人は世の中にたくさんいると思う。

ただ社会はそういう背景を考慮してはくれない。

本来の実年齢で持っている経験とスキルでの評価が全てだ。

特に飲食店はコロナ禍の影響で必死の経営を迫られている状況だから、彼女のようなタイプがお荷物になってしまうのも致し方ないことだと思う。

愛着障害を克服するには、彼女が示す症状だけに目を向けて改善しようとしてもあまり効果はない。

家庭内の不和が依然として続いている状態であれば、両親と彼女の愛着の問題が解決されない限り、彼女はずっとそのまま困難を抱えて生きていかなければならない。

最悪なのは彼女が生きていく事を諦めてしまう事だけど、幸い「死にたくなった時に励ましてくれた人と同棲している」みたいな事も話していたから、その人が今、彼女の両親に代わる仮の安全基地みたいな役割を果たして、彼女の人生をなんとか支えているような現状だと思う。

僕自身もそうであるから、愛着障害については今後も学びつつ克服していかなければいけない。

気になる人は、ぜひ自分の愛着障害についてもチェックしてみてほしい↓







-哲学・思想
-,

執筆者:

関連記事

“場”の空気の正体

酒が好きなので、たまに飲みに行く。 よく行くお店には親しい人たちがいるから、だいたいいつも楽しく飲めるけど、世の中には人の気持ちとか、場の空気とか、そういう“見えないもの”を可視化する事が出来ない人が …

ブログは思考と感情のデトックスになる

僕がSNSやブログをやりはじめた理由は「自己承認欲求」を満たすためだ。 自分が過去に抱えていた悩みや問題などを綴り、それに対して自分はどう考え、どう対処して来たか? それを世の中の人に知って欲しい。 …

シャーマニズムとメンヘラ

シャーマニズムとメンヘラ女子

僕がこれまで出会って来たメンヘラ女子たちは、なぜか霊感(第六感的なもの)がある人が多かった。 亡くなった僕の祖母もメンヘラっぽい性格の人で、何度か霊体験のようなものをした事があると言っていた。 メンヘ …

夜明けに米米WAR

他人の意外な一面を突発的に知る時がある。 それは冬の北海道で、僕は派遣の仕事で士別にある製糖工場で働いていた。 名寄市にある一軒家を他の派遣社員の人とシェアして、士別の製糖工場までは、派遣会社の専属ド …

才能に起こる異変

専門学校のクラスメイトに知的障害を持っている年上の人がいた。 人物、静物、風景などの写実的な描写だったらその人がクラスでダントツに上手かった。 実物そのものと変わらない立体感、重量感、透明感、空気感ま …

祐喜代(sukekiyo)

PROFILE

PROFILE

祐喜代(SUKEKIYO)

大阪在住

社会に属しながら世捨て人として人生を謳歌するために、思索と創作表現などをしています。

ART、写真、小説を掲載しているHPはこちら↓

ART、写真、小説を掲載しているHPはこちら↓

嗤う狐の藝術

祐喜代『星空文庫』ページ

嗤う狐のYOUTUBEチャンネルはこちら↓

ネットSHOP

SUKEKIYOオリジナルアートSHOP

『AMS』はこちら↓

https://ams.base.shop/

 

スポンサーリンク