愛着障害に関する本を読んでいて、ちょっと気になる出来事が最近あった。
たまに飲みに行くBARで、店の女の子に関する共通の愚痴や不満を、他の店員さんやお客さんから聞く機会が増えたのだ。
僕もその子がいる日に一度店で一緒に飲んだ事がある。
その時の印象はそんなに悪くなかったけど、多少幼稚なところがあって、接客も他の子たちと比べると拙い感じはした。
彼女に関する愚痴や不満の内容には、甘え癖や怠慢な勤務態度などがあり、イベント場に場違いな服装で来たり、虚言癖があるなどの指摘もあった。
叱ってもあまり改善効果はないようで、直接彼女に関わった店員さんやお客さんはみんな呆れている感じだった。
本人はおそらく自分の接客態度に問題があるとはあまり思っていないだろう。
ただ他の人たちの迷惑になっている自覚はあるようだから、どうしていいのかわからない。
そんなジレンマを抱えて孤立しているように見える。
彼女と初めて会って話した時、何気なく料理の話題になり、そこから派生して「小さい頃あまり家に両親がいなくて、食事はいつも独りで作って食べていた」と、彼女の家庭の事情を少し話してくれた。
虚言癖があるとの事なので、一概にその話を信用するわけにもいかないけど、両親に甘えたい時期に甘える機会を逃している寂しさみたいなものは十分彼女から感じた。
彼女の話が本当だとしたら深刻な愛着障害を抱えている可能性がある。
接客中も僕の髪の毛を触ろうとしたりする様子もあったので、人とのスキンシップで愛情を図るような行為にもあまり恵まれて来なかったのかもしれない。
彼女の甘え癖、怠慢、虚言癖は、小さい時に十分な愛情を受け取れないまま育ってしまった結果現れている症状。
小さい時から時間が止まったままの女の子が大人を相手に接客していると考えれば、すごく納得のいく事が多い。
見た目は大人で中身は子供なんだから、甘えて来るのは当たり前、怠慢なのも当たり前、人に褒めてもらいたい、嫌われたくない理由で嘘もつく。
幼い頃に親との間で安定した愛着を築けないことで起こる愛着障害は、子供の時だけでなく大人になった後も、心身の不調や対人関係の困難、生きづらさになってその人を苦しめ続ける。
そういう人は世の中にたくさんいると思う。
ただ社会はそういう背景を考慮してはくれない。
本来の実年齢で持っている経験とスキルでの評価が全てだ。
特に飲食店はコロナ禍の影響で必死の経営を迫られている状況だから、彼女のようなタイプがお荷物になってしまうのも致し方ないことだと思う。
愛着障害を克服するには、彼女が示す症状だけに目を向けて改善しようとしてもあまり効果はない。
家庭内の不和が依然として続いている状態であれば、両親と彼女の愛着の問題が解決されない限り、彼女はずっとそのまま困難を抱えて生きていかなければならない。
最悪なのは彼女が生きていく事を諦めてしまう事だけど、幸い「死にたくなった時に励ましてくれた人と同棲している」みたいな事も話していたから、その人が今、彼女の両親に代わる仮の安全基地みたいな役割を果たして、彼女の人生をなんとか支えているような現状だと思う。
僕自身もそうであるから、愛着障害については今後も学びつつ克服していかなければいけない。
気になる人は、ぜひ自分の愛着障害についてもチェックしてみてほしい↓