芸術

野狐禅

投稿日:

野狐禅(やこぜん)とは禅の修行者が、まだ悟りきっていないのに悟ったかのようにうぬぼれること。転じて、物事を生かじりして、知ったような顔でうぬぼれること。

タイトルは忘れたけど、ネットの動画配信サイトにカメラマン志望の男の子が東京に上京して夢を追うみたいなドラマがあって、その主題歌が野狐禅の「ぐるぐる」だった。
野狐禅はそのドラマをきっかけにハマった。

桜のアーチを潜り抜けてから一体どんぐらいの年月が流れたんだろう?
嗚呼うまい事思い出せねぇや、いや思い出したところで何のメリットもありません

何かやってもやらなくても時間だけは勝手に経つ。
何かやってもやらなくても、それまで生きた分の記憶と思い出は蓄積されていく。
仙台時代によく遊んでいた専門学校の同期たちも、みんなそれぞれ就職したり結婚したりしてバラバラ。
ドラマの中で上京したカメラマン志望の男の子は、憧れの東京で毎日笑ったり泣いたりしていた。
良いなぁ、早く行きたいなぁ
一度遊びに行った吉祥寺の街が気に入り、僕も10年近く住んだ古巣の仙台を離れてちょうど上京するタイミングだった。
仙台ではずっと絵を描いて来たから、今度は東京で小説を書こう。CDを買って東京で野狐禅を聴こう。
そして小説家になる!
30歳手前の年齢で上京するには、そんな感じで自分を騙す大義名分がいる。
自分をワクワクさせるための楽しい嘘がいる。
内実は暇潰しだ。仙台での暮らしがマンネリ化し、暇で退屈になったから東京に行く。
現実的にどうなるかはわからないけど、僕はふと湧いたイメージだけを追いかける。
ワクワクしたイメージだけしか実行する事が出来ない。ワクワクしたイメージを無視するとジッとしていられなくなり、遅かれ早かれやってしまう。
焦燥なのか衝動なのかもよくわからない。
でもとりあえず動いてみたら吉祥寺に手頃な部屋が見つかり、すぐに仕事も見つかって小説を書いていた。
一緒に酒を飲んでくれる人も見つかって、彼女も出来た。
出版社に投稿した詩が雑誌に掲載されたり、出版詐欺に遭いかけたりもして、苦々しくもそれなりに楽しい東京生活。
ギター担いで吉祥寺のアーケード街をのっしりと歩く竹原ピストルも見た。
今思えば野狐禅の曲に触発された上京。
野狐禅の曲に感化された東京生活だったような気がする。
でも誰かが紡いだ物語とか、誰かが歌う歌がカンフル剤になって、停滞していた人生がまた生き生きと動き出す事ってあると思う。
僕の人生をドラマ化するとしたら、東京編の主題歌と挿入歌はもちろん野狐禅だ。

【特に好きな3曲】「ぐるぐる」「カモメ」「札幌処刑台」







-芸術
-

執筆者:

関連記事

友川カズキ

友川さんについては以前『一人盆踊り』の記事でも触れた。友川さんの歌は地元で聴くとより迫って来る。東北の田舎。友川さんの故郷と僕の故郷は近いので、友川さんの訛りまくったクセのある歌い方は全然苦にならない …

小説『芋虫』本当の生き地獄

あらすじ 傷痍軍人の須永中尉を夫に持つ時子には、奇妙な嗜好があった。それは、戦争で両手両足、聴覚、味覚といった五感のほとんどを失い、視覚と触覚のみが無事な夫を虐げて快感を得るというものだった。夫は何を …

日常空間で死ぬようなものはARTではない

僕はARTに関してあまり教養がない。 僕は創作する喜びを得たくてARTをやっているだけなので、自分の作品にも他人の作品にもあまり興味がない。 たまに美術館や個展を観に行ったりするけど、わけのわからない …

小説『霊感商人』 とかく世間はあざとさに弱い

僕は個人的な興味でこれまで何度かいろんな宗教団体の施設を訪れ、その集会に参加した事がある。 だいたいどの宗教団体の人たちも親切で、ふらっと立ち寄っただけの参拝でも快く歓迎してくれる。 信者さんの中には …

映画『スタンドバイミー』 友と葡萄酒は古いほど良し

あらすじ オレゴンの田舎町、行方不明になった少年の死体を見つけようと、ちょっとした冒険旅行に出かける4人の少年の姿を描く。 監督:ロブ・ライナー キャスト:ウィル・ウィートン,リヴァー・フェニックス …

祐喜代(sukekiyo)

PROFILE

PROFILE

祐喜代(SUKEKIYO)

大阪在住

社会に属しながら世捨て人として人生を謳歌するために、思索と創作表現などをしています。

ART、写真、小説を掲載しているHPはこちら↓

ART、写真、小説を掲載しているHPはこちら↓

嗤う狐の藝術

祐喜代『星空文庫』ページ

嗤う狐のYOUTUBEチャンネルはこちら↓

ネットSHOP

SUKEKIYOオリジナルアートSHOP

『AMS』はこちら↓

https://ams.base.shop/

 

スポンサーリンク