エッセイ

浅野いにおさん

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浅野いにおさんの漫画をよく読む。
すごく面白い。
浅野さんの描く女の子も好き。
閉塞的で神経質で卑屈な世界観って言ったら失礼かもしれないけど、浅野さんの作品は純文学的だからとにかく僕とすごくウマが合う。
僕は一人で感傷的になれる漫画や映画を好んでよく選ぶ。
意図的に感傷的になる時間が好きだからだ。
浅野さんの作品で特に一番好きなのは「おやすみプンプン
プンプンはまるで僕だ。
家庭の事情が違うくらいで、その人間性に関してはまるで僕だった。
太宰治の「人間失格」を読んだ時のシンクロにかなり近いけど、同時代性がある分、落ちるとこまで落ちていくリアリティがあり過ぎて、プンプンの方が質が悪い。
浅野さん、すごく良く分かるけど、そこまで表現するなよ
そう思いつつ、他人の闇に大満足している自分がいた。
そこが純文学的な作品の良いところだと思う。
僕は他人の不幸や闇に興味津々だ。
人が自分の中に住む獣性と、理性的であろうとする自意識に苦しんでいる姿を見ると落ち着く。
そこに人間味を感じるからだ。
そして未だかつて見た事がない貴重な人間性に出会う事が僕の喜びなんだけど、人は社会的な生き物だから、容易には自分の人間性を他人に明かしたりはしない。
だから僕はこのブログで自分の人間性を晒して、それを覗き込んだ人間に罪の意識を背負わせようとしている。
どうだ僕の人間性は?暗いか?ムカつくか?面白いか?そんなお前の人間性はどうなんだ?毎日不安か?それとも健やかか?
そんな事を思いながら、自分の人間性をひた隠しにして社会性を保とうする人たちを嘲笑い、同時にその生きづらさを憐れんでいる。
仕事、地位、名誉、恋人、友人、家族・・・
社会的人間である事で得た大事なものが人それぞれあると思う。
そしてそれを失う恐怖も常にあると思う。
自分の人間性が全てバレて、大事な物を全て失った時、自分の人生は一体どうなっちゃうんだろう?って考えた事はないだろうか?
僕はそれが怖いから大事なものをほとんど持っていない。
持つのが怖い。
出来るだけ何も持たずに手ぶらでいたい。
みんなの陰口を言っていたのに、会えばケロっと友だちのふりをし続ける人をいっぱい見て来た。バレた途端に孤立していなくなってしまった。
若い女の子に入れあげて性的欲求を満たそうとした人が、公の場やSNSでは全然そんな素振りを見せず、社会性のある善き大人、善き夫、善き隣人として、賢明に振る舞っている。
ほとんど無意識レベルでそれをやっている人もいる。
すごく器用な人たちだと思うけど、バレたらどうするんだろう?
素敵な家族と大きな家がある。
すごく幸せそうだと思いながら、バレたらこの人はどうなるんだろう?と、嘘の片棒を担がされている僕は、いつも内心ヒヤヒヤしながら付き合って来た。
バレなきゃ平気でいられるの?
僕もそういう図太い人間になりたいから、人間の精神や心についてよく学び、出会う人たちの底知れない人間性を観察して来た。
しかし、どれも危うい。
バレたら人生メチャクチャになって、大半は自殺するか、そうでなければバラした相手を殺したりするんだろうけど、それは一番卑怯でつまらない幕引きだと思う。
もしバレて全てを失っても、死なずに生き恥を晒して生きて行ってほしい。
僕も自分の命だけはもう捨てられないから、他の事はすぐに捨てて、恥晒してでも生きるって決めている。
洗いざらい書き過ぎて、自分でも怖いと思う事があるけど、それが出来る自分は稀有な存在で唯一無二だと、大真面目に思う。
浅野さんもそれが出来る人じゃないかな?
自分の卑屈さや神経質な部分を面白がって表現出来る人。
浅野さんが日記として綴った「漫画家入門」という本によると、浅野さんは自分についてよくエゴサーチするらしい。
漫画家という職業柄、自分の人気を気にしないといけない面もあっての事なんだろうけど、きっと僕同様に根っからの自分大好き人間なんだと思う。
エゴサーチして僕のブログにたどり着いてくれたら面白いのにな、と思う。
僕も自分を否定しつつ、本当は自分が大好きな人間だ。
否定したいのは社会的な自分であって、一人きりで何にも捕らわれていない時の自分は、かなり魅力的で興味深い人間だと思う。
みんなはどうだろう?
犯罪者であろうと、変態であろうと、社会的でない本当の自分は魅力に溢れているはずだと思うけど、残念ながらほとんどの人間にはそれを語る勇気も機会もないから、世の中はつまらない人間で溢れまくっているように見える。
マイノリティであればあるほど、唯一無二な存在で貴重なはずなのに、カミングアウト出来ずに苦しんでいる。
外面なんかどうでもいい。体裁なんかどうでもいい。常識やマナーも本当はどうでもいい。
そんなものに固執して悩むのって、ひどく滑稽で憐れだ。
それよりもっと他人の深い部分に潜っていろいろ感じたくない?
醜いのか? 危険なのか?
それともやっぱり美しくて安全なのか?
その人の底にあるものが何か見てみたい。
好きになってもならなくてもいい。
激しく憎んでもいい。
面白かったら何でもいい。
生きづらさなど改善せずに、そのまま生き切ってしまえ。
それで誰かに愛されたら儲け物。
浅野さんの漫画や純文学小説を読むとそんな気持ちになれる。
浅野さんについて語ろうとしたのに、なんか話が脱線してしまったけど、書きながら追った思考のプロセスをそのまま見せたいから、今回の記事はこれでよしとする。

最後に浅野さん、「デデデデ」もめっちゃ面白いです!
これからも漫画描き続けてください!







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