オカルト・スピリチュアル

オカルト原風景 『オカルト県オカルト郡オカルト町』

投稿日:2021-06-01 更新日:

僕の故郷は東北地方の山間部で、銀が取れる鉱山と宿場町から発展した迷信深い土地柄だ。

町の入り口にあたる峠を抜けると、非常に美しい風変わりな盆地が広がり、その周囲を雄大な雪山の山脈が囲んでいる。

町の中央付近には杉に覆われたピラミッド形の山が3つ並んでいて、英国作家のイザベラバード女史が僕の故郷を訪れた時、その風景を見て「ロマンチックな雰囲気の場所」と『日本奥地紀行』に記した。

僕はそのロマンチックな雰囲気の場所で三人兄妹の次男として生まれ、上に兄、下に妹がいる。

実家は小さな食堂だけど、父親と母親の本家は蔵のある屋敷で、母方の本家は客間に般若のお面が飾ってあったり、父方の本家の蔵の奧には“屋敷ヘビ”と呼ばれる大きな蛇が住んでいたりした。

その蛇は屋敷にずっと住み着いている主で、その蛇が屋敷からいなくなると家が没落すると、祖父が言っていた。

冬は蔵から屋敷の池にある樽の中に移動して冬眠するらしい。

僕の兄だけ小さい頃に蔵の中でその屋敷ヘビを見たと言っていた。

今もいるのかどうかわからないけど、祖父の屋敷は建物だけ残して没落しているような状態だから、もういなくなっているかもしれない。

本家の屋敷だけでなく、古い建物には何かしら得体の知れないものが住んでいそうな雰囲気があって、僕の母親も地元のお寺を改装した時、寺の下から大きな蛇が現れて、お寺の山門の柱に巻きついているのを見たと言っていた。

地元のA地区には「竜馬山」と呼ばれる断崖絶壁の小高い山があり、祖母の話によると、そこは僕の家の守り神にあたる場所らしい。

偶然か必然なのかはわからないけど、兄は辰年生まれで、名前に竜の字が入っている。

僕は午年に生まれて、名前に馬の字が入っている。

二人合わせたら「竜馬」。

昔、大雨が降って川が氾濫すると、竜馬山から竜馬が流れて来て、その竜馬が天に登ると、雨が止み、空が晴れた。

地元にはそういう伝説がある。

僕の祖母は若い頃、大雨で氾濫した川で実際にその竜馬の姿を見た事があるという。

竜馬は頭が竜で体が馬。

中国の伝説的な生き物である「麒麟」によく似ている。

竜馬山には天然記念物のカモシカが棲息していて、昔の人はそのカモシカの事を「竜馬」と呼んでいたんじゃないかな?と僕は思っている。

カモシカは滅多に見る事が出来ないけど、竜馬山の崖の岩肌をピョンピョン跳び跳ねて移動する、角の生えた白い山羊のような動物を僕も何度か見た。

僕の田舎にはそういうオカルトっぽいものが身近に溢れていて、神様、仏様、妖怪、幽霊などの存在を当たり前のように了承している原風景の中で育ったから、どれだけ科学が発展しても“見えない存在”に対する親しみが今も常にある。

もちろん見た事はないけど、いた方が絶対に面白いと思っている。

だからいつか出会いたい。

いろんな証拠を突きつけてオカルト的なものを完全否定したら、それが叶わない気がするから、不思議なものを見つけたら、その真相を探りつつ、核心的な部分は曖昧なままにして残しておく。

あれは何だろう?

真相は藪の中。

真相を知った途端にロマンがなくなって白けるのがとにかく嫌だから、オカルトやスピリチュアル的なものとは、いつもそんな感じで付き合って来た。

今後も『オカルト原風景』と題して、僕が地元で見聞きした不思議な出来事を思い出せるだけ書いてみようと思う。

地元の風習を題材にした短編小説→『冥婚







-オカルト・スピリチュアル
-,

執筆者:

関連記事

アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』霊的世界にもある願いと代償のシステム

あらすじ 温かな家族や美樹さやかといった親友に囲まれ、平穏な日々を送る中学2年生の鹿目まどか。そんな彼女のクラスに、暁美ほむらという少女が転校してくる。とある晩に見た奇妙な夢の中で出会った少女と彼女の …

聖地巡りをして気づいた事

放浪していた時、沖縄から西日本の聖地(パワースポット)と呼ばれる場所をいくつか訪れた事がある。 斎場御嶽、久高島、霧島神宮、四国八十八か所、高野山、伊勢神宮、出雲大社、眞名井神社、天河神社、下鴨神社、 …

HSPにはサイコダイブ能力がある?

【サイコダイブ】 主にサイバーパンクの世界観の作品において、人の精神世界に潜り込む技術、またその行為 人と接している時、たまにふとその人の心のビジョンみたいなものが、新作映画のトレーラーのように飛び込 …

『オカルト原風景』人形が取り残された家

実家の二階にある床の間に、陶器で出来た老夫婦の人形と古いフランス人形があった。 どちらも母親が嫁いで来た時に、母方の実家から持ち込まれた人形らしい。 老夫婦の人形の方は、母方の祖父母に顔がそっくりだっ …

『オカルト原風景』夜鷹と産女

田舎特有の事情だと思うけど、親や近所の大人が子供をしつける時、迷信や妖怪を絡めて諭す事がよくあった。 山と田畑の長閑な風景の中にこの世と地続きの目に見えない世界があって、大人の言うことを聞かないと、そ …

祐喜代(sukekiyo)

PROFILE

PROFILE

祐喜代(SUKEKIYO)

大阪在住

社会に属しながら世捨て人として人生を謳歌するために、思索と創作表現などをしています。

ART、写真、小説を掲載しているHPはこちら↓

ART、写真、小説を掲載しているHPはこちら↓

嗤う狐の藝術

祐喜代『星空文庫』ページ

嗤う狐のYOUTUBEチャンネルはこちら↓

ネットSHOP

SUKEKIYOオリジナルアートSHOP

『AMS』はこちら↓

https://ams.base.shop/

 

スポンサーリンク