芸術

LUNA SEA 思春期とナルシシズム

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音楽について語るのは難しい。

本来はバンドや楽曲の良さについて書くべきなんだろうけど、僕が書けるのは、その音楽との出会いだったり、よく聴いていた当時の思い出くらいしかない。

今回書きたい音楽はLUNA SEA。

中二病をこじらせた思春期の痛々しい自意識とV系ロックはやたらと相性が良く、X、黒夢、D’ERLANGERなどのバンドと共に、中学、高校時代によく聴いていた。

V系を聴く人は、男女問わずナルシストか、そうでなければナルシシズムに陥りがちな時期に、人はV系ロックを欲するんじゃないだろうか?

どの楽曲も失恋=世界の終わりみたいな繊細な世界観で、カッコいいんだけど、どこか病的だ。

片思いをして、何もアクションを起こしていないのに勝手に傷心して、激しく胸が張り裂けそうになる。

そういう時にLUNA SEAの楽曲を聴くと、自分の過剰にナイーブなハートを全て心得たように共感してくれるうえに、内実は醜い欲情でしかないエゴをセンス良く美化してくれる。

LUNA SEAは同級生のMに教えてもらったバンドで、MはLUNA SEAのベーシストであるJに顔がそっくりだった。

休み時間にMにエアベースをやらせて、「似てるなww」と、よくケラケラ笑っていた。

元々はMの姉がLUNA SEAのファンで、その姉の影響でMもLUNA SEA好きになったようだ。

偏見かもしれないけど、V系好きな女子はメンヘラが多く、Mの姉も陰キャな感じのタイプだった。

偏見ついでに、メンタルが良好な女子はLUNA SEAよりもYELLOW MONKEYを好む傾向があった気がする。

どちらにしろ、V系は思春期に一番人気があり、思春期を過ぎれば、ファンでもちょっと気恥ずかしくなるのが宿命だと思う。

V系ロックを好きになると、ミスチルやB’z、小室ファミリーやジャニーズ系などの音楽は、健全なメインカルチャーとして、なぜか敵視したくなる。

そんな衝動に駆られるから、健全なメインカルチャーが本当は好きだったりしても、他の同級生にそれを素直に言えず、表面的には小馬鹿にするような態度をわざと取り、誰にもバレないようにこっそりと聴いたりしながら、独りで突っ張っていた。

V系ロックはそんな感じで、僕みたいな中二病の思春期をさらに狂わせる。

今もたまに聴いたりするけど、そんな痛々しい思い出も込みでただ懐かしい。

LUNA SEAに関しては今も現役で音楽シーンにいるから、その美意識と自意識に関しては、最早ファンとの共同幻想で支えていくしかないだろう。

V系と言えども、見た目の老いは確実に進行していき、涙ぐましいアンチエイジングを駆使しても隠し切れるものではない。

メジャーで成功して、音楽業界の酸いも甘いも嗅ぎわけた大御所ともなれば、僕たち中二病の思春期を酔わせて狂わせてしまったピュアでナイーブな世界観にも、さすがに限界が来る。

僕の中ではアルバム『MOTHER』がLUNA SEAの集大成であり、ファンとして熱狂していた最後の時期だったと思う。

それ以降は昔取った杵柄で、インディーズシーンから応援してくれている老いたファンたちと、その影響で同じくファンにさせられてしまった息子、娘たちに支えられて、みんな一緒に「時間さえも止めてしまう貴方はfeeling for beauty」なのである。

と、このように好きな音楽でも、それを語るのはやはり難しい。

特に好きな3曲は『ROSIER』『WISH』『ANUBIS』

いつも読んでくれてありがとう!

LUNA SEA OFFICIAL WEBSITE

LUNA SEA-YOUTUBE







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