哲学・思想 芸術

ドラマ『イカゲーム』人の命は資産価値で量られる

投稿日:2021-12-15 更新日:

あらすじ

勝てば天国、負ければ…即死。賞金に目がくらみ、奇妙なゲームへの招待を受けた参加者たちを待っていたのは、昔ながらの遊びを取り入れた死のゲームだった。

原作・制作:ファン・ドンヒョク

キャスト:イ・ジョンジェ、パク・ヘス、ウィ・ハジュン

韓国は歴史的に芸事の外交で大国に媚びを売るように生き残って来た国だからか、優秀なエンタメ作品が多い。

政治的プロパガンダにつながるような製作意図があるのかもしれないけど、表現にタブーがない残酷描写と悲劇の演出で視聴者の感情を巧みに操作する。

自国が抱えている国難に対する危機意識の差だろうか?

日本にも「カイジ」や「バトル・ロワイアル」などのデスゲーム系の作品はあるけど、韓国のイカゲームの方が断然面白かった。

命を懸けた大金獲得ゲーム。

この非現実的な設定の中に、僕は韓国のリアルな暗部を想像して、鑑賞中に実際にあり得そうな陰謀を考察していた。

それと関連するかどうかはわからないけど、北朝鮮がこの「イカゲーム」を国内で販売した人を銃殺したり、イギリスが「イカゲーム」の配信を禁止にしたというネットニュースもあって、ますます気になっている。

韓国が「イカゲーム」を通して全世界に暴露したい事情って何だろう?

「イカゲーム」の設定から、僕が想像したものを陰謀論としてまとめてみた。

イカゲームの設定

イカゲームに参加した人数は456人。

賞金は最後まで生き残った人が獲得する。

ゲームの内容は、「だるまさんがころんだ」「型抜き」「綱引き」「ビー玉」「ガラス板渡り」「イカゲーム」など、老若男女誰でも出来る公平なルールのゲームばかり。

ゲームの挑戦者には、1人1億ウォンの値がついていて、1人脱落者が出ると、その金額が賞金に加算される。

賞金総額は456億ウォン。

参加者の過半数が同意すればゲームを中断する事が出来る。

ゲームを主催しているのは世間にまったく知られていない秘密組織。

組織の人間は全員仮面をつけていて、◯ △ ▢のマーク毎に階級化している。

◯が下層で運搬、雑務係。
△が中間層で警備、処刑係。
▢が上層で監視、指示係。

ゲームは富裕層の娯楽として、優勝者を当てるギャンブルになっている。

イカゲームは、人の命は資産価値だという事を物語っている。

現実の社会もそうで、いくら人間の命は平等だと綺麗事を言っても、個人の性別、年齢、容姿、知能、体力、環境によってお金を稼ぐ能力がそれぞれ違い、国に支払う納税額もそれぞれ違うから、国家は人の命を資産価値で量る。

社会的価値のある仕事に従事していて納税額の高い人は、国家の利益や発展にとってメリットがある存在。

メリットがあるから「上級国民」という呼び名が出来るくらい、何かと国家に優遇されている。

逆に心身に疾患があったり、その他何らかの理由で職につく事が出来ず、借金や犯罪に手を染めたり、国に生活を保障してもらわないと生きていけない人は、国家の利益や発展にとってデメリットになる存在だから冷遇される。

この資産価値の無い人たちの命に、利益を生む価値をつけたのがイカゲームだ。

イカゲームの挑戦者につけられた1億ウォンの金額は、主催者がゲーム運営に対して払うコストだと思う。

架空の物語だから、仮面要員の人件費、管理費、その他の雑費に関する正解な金額を出す事は出来ないけど、参加者1人にかかる運営費が1億ウォンくらいかかっているという設定だと思う。

これは韓国の国家が国民一人当たりに支払っているコストの比喩でもある。

主催者側はそのコストを、金持ちの娯楽としてイカゲームを楽しむVIPゲストからの融資提供と、脱落して死亡した挑戦者たちの臓器を、臓器売買のブローカーに提供したりして回収する。

主催者側である秘密組織の要員が階級化されていて、お互いに顔バレをしないように配慮している理由は、彼らにもゲームの参加者同様、韓国社会で公に生きていけない事情があるからだ。

たとえば、

下層の◯の仮面は、北朝鮮から脱北して来た人たち。

△は指名手配中の犯罪者か、死刑執行を受ける予定だった人たち。

▢はマスコミに不正や不祥事を追及されて身を隠している上級国民などだ。

いずれにしろ公の社会から身を隠さないと生きていけない人たちである。

そういう人たちも国家にとっては資産価値がなく、デメリットにしかならない人たちだ。

そんな人たちをどうやって資産価値に変えるか?

国家を運営する人たちや会社を経営する人たちは、自分たちが抱えている無駄な人員や事情(コスト)に対して、常にそんな課題を持って接している。

扱い方を間違えば、国家破綻、会社倒産にも繋がる課題だから、この課題に取り組む人たちの思考や判断は時に非情だったりする。

国民感情や社員の感情まで考慮していたら、国家運営や会社経営にとって正しいメリットを生む冷静な判断など出来ないだろう。

会社経営者にサイコパス気質が比較的多い理由は、常に論理的な思考で感情をベースに物事を判断しない適正があるからだろう。

ましてや国家運営や会社経営が逼迫した状態の時に、デメリットにしかならない人材や事情を抱え込む理由はない。

そういう人たちを国家にとって会社にとって再度資産価値のある人間に更生するには、イカゲームのような極端な方法を思いつく人だっているかもしれない。

実際この「イカゲーム」を面白がって真似する人たちがたくさん出て来ている。

隠謀が本当にあるのかどうかは別として、社会の性質や状態によっては、不公平で不平等な行為が生まれる余地がたくさんある。

人間の本能が未だに弱肉強食のルールに縛られているのであれば、強者が弱者を都合よく扱うのは必然だ。

人間的に成熟した強者が作る国家や会社でも経済的余裕の範囲内でしか弱者を養えない。

余裕がなければ切り捨てるか、なんとか資産価値を生むように再更生するしかない。

そんな社会で生まれて育ち、将来ずっとその社会に属して生きるのであれば、人生そのものがイカゲームになる。

日本国憲法の基本的人権も所詮建前にしかならず、国民が肌で感じる人間の命や人権は平等ではない。

ただどんな生き方や死に方をするにせよ、強者にも弱者にも「死」だけは平等に訪れる。

これだけは紛れもない真実。

「イカゲーム」を観終わった後に、それだけがこの過酷な格差社会を生きる救いだな、と思った。

いつも読んでくれてありがとう。

イカゲーム公式サイト







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