哲学・思想

大阪クリニック放火殺人の報道を受けて想った事

投稿日:2021-12-29 更新日:

大阪梅田の心療内科クリニックで放火殺人が起こった。

またしても愛着障害を抱えた人が無敵の人になってしまった。

そんな感じの事件だと思う。

今回の事件で気になる点は、犯行現場が犯人の谷本さん自身が通院していたクリニックである事だ。

事件の報道を見た人の多くが、

「助けの手を差し伸べている人たちに何で?」と疑問に思い、憤りを感じたと思う。

クリニックを利用していた人たちのインタビューを見る限り、クリニックの院長さんをはじめとするスタッフさんたちの印象は良い。

犯人の谷本さんの人物像については「真面目で短気なところがあった」と報道されていて、犯行の動機については、ほとんど何もわかっていない。

谷本さん自身も火傷の重体を負い、脳に障害が残る可能性もあるようだから、犯行の動機については解明されないままになってしまうかもしれない。

僕は自分が気になった事をわからないままにしておくのが嫌なので、憶測ではあるけど、自分なりに谷本さんがクリニックを襲った動機を考察した。

ニュースの報道によると、クリニックの院長さんと谷本さんとの間に何かトラブルがあったようだ。

だとしたら怨恨による犯行動機にはなるんだろうけど、なぜ他のクライアントさんから評判の良かった院長さんやスタッフさんを谷本さんは憎んでしまったのか?

京アニ放火事件の時は、犯人がコンテストに応募した作品の内容を京アニ側が盗用したと疑い、逆恨みして犯行に及んだという動機があった。

谷本さんの場合で考えられるとしたら、精神障害者手帳申請のための診断書を出してもらえなかったとか、クリニックで働いている若い女性スタッフに恋愛感情抱いてまともに相手をしてもらえず、ストーカーのような行為をしていた、などのトラブルが挙げられると思う。

愛着障害を抱えている人が無敵の人になってしまう過程の中には、「非モテ」という境遇が目立っていて、ジョーカーに扮して京王線の電車で放火した犯人も、彼女に振られてから、働いていたマンガ喫茶で女性客を盗撮したりしていたらしい。

また50代や60代くらいの男性が、水商売で働いていた女子の家に侵入して殺害するニュースなども見かける。

愛着障害を抱えて職がなかったり、「非モテ」である事は男性のプライドをひどく傷つける。

僕自身も愛着障害を抱えて、これまで生きづらい思いをして来たけど、まだ運が良いのか、異性との交遊はそれなりにあったから絶望的な「非モテ」の感覚まではない。

愛着障害を抱えている人が自分よりずっと歳下の女子を“推し”と称して、性愛感情を抑圧したまま水商売のキャストやアイドルにハマったりすると、その抑圧した性愛感情が解消されないまま、だんだん不満が募って、いずれ憎悪に転化していく。

そしてたとえばキャストやアイドルの本心や恋愛事情が発覚したりする出来事などをきっかけに、その憎悪が表面化し、トラブルに発展したりする。

特に水商売ではアルコールを含んだ酩酊状態で理性が保てなくなるから、こういったトラブルが起こるリスクはさらに上がる。

異性に性愛感情を持つの人間の本能だから、ごく自然な事だ。

だからそれ自体は全然悪くないし、僕もそういう感情を当然持ったりする。

それを素直に認めていれば自制心が働くから、相手の気持ちに配慮した行動が取れると思うけど、抑圧した感情は自覚がないから制御するのが難しくなる。

そして抑圧された感情は、体調不良として現れたり、他人に配慮のない身勝手な行動を取るなどといった悪い影響を与えるようになる。

精神科医やカウンセラーは、クライアントと深い信頼関係を築きながら、悩みや問題をこじらせている抑圧している本心に気付き、クライアントと二人三脚で改善を目指す手助けをする。

ただこの信頼関係を構築する時に難しいのは、依存関係にならないような適性な距離を掴んで保つ事。

それに失敗すると、クライアントとの対話はなかなか良い方向に進んでいかない。

傾聴のスキルを学んで実践する度に、僕はその適性な距離感の掴み方や保ち方の難しさを痛感する。

クライアントは家族や友人のような信頼関係を求めて来るから、相手が異性の場合だったら親や恋人のような親密さを要求されたり、同性だったら親友のような付き合いを要求される事もある。

相談に乗る側は、ある意味クライアントが日常生活の中で抑圧している感情の受け皿として存在しているようなものだから、本来ならそのクライアントの悩みの種である家族や恋人、友達、職場の人間などに向かうべき感情を投影されて、もろにぶつけられたりする。

場合によっては、計り知れない激しい怒りや憎しみ、殺意などの感情をぶつけられたりもする時もある。

それでもクライアントの味方であり続ける努力はするけど、おんぶにだっこで依存されるような信頼関係になってしまったら、深刻なトラブルに発展するケースも覚悟しなければいけない。

評判の良いクリニックになれば、多数のクライアントを抱えていて時間の制約がある中で診察をこなすわけだから、クライアントが院長やスタッフに依存しているような状態のクライアントであれば、「予約が取れない」「他のクライアントとばかり仲良くしている」みたいな不満が募って来る。

付かず離れずでの適度な信頼関係を保ち、大勢のクライアントの相手をする。

これはすごく大変な事だと思う。

カウンセラーの求人に何度か応募してみたものの、やはり資格と経験がない条件での就職は難しそうなので、とりあえず諦めたけど、これからも人の心の悩みや問題について勉強したり、個人的なボランティア活動していくつもりではいる。

今回の事件は、自分がやろうとしている事のリスクをしっかりと教えてくれた。

無敵の人予備軍はまだまだたくさんいるし、今後も増え続けると思う。

それでもただ怯えてばかりもいられないから、とりあえず想像を働かせて、そんな背景があっての事件だと僕は理解した。

いつも読んでくれてありがとう。







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